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抗菌・制菌・抗ウイルスとは?
抗菌作用のある素材やアパレル活用例などもご紹介!

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新型コロナウイルスの影響もあり、「抗菌」「制菌」「抗ウイルス」の消費者ニーズが高まっています。この変化はアパレル業界も例外ではなく、「抗菌」「制菌」「抗ウイルス」機能が備わった洋服が増えてきています。そこで本記事では、「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」の概要や違い、アパレルにおける活用事例などを解説していきます。

抗菌・制菌・抗ウイルスとは?

日常生活で「抗菌」という言葉を耳にする方も多いでしょう。
身の回りを清潔に保つために生活用品や自動車、住宅用品、衣類などに抗菌加工のある製品が使われていますが、新型コロナウイルスの流行によって抗菌だけではなく「制菌」、「抗ウイルス」といった言葉も広まりつつあります

そこで、以下では「抗菌」「制菌」「抗ウイルス」の違いや実用例について解説します。

抗菌・制菌・抗ウイルスの意味と違い

「抗菌」とは、菌が住みにくい環境にすることで細菌の発生や生育・増殖を抑制する効果のことです。主に臭いの原因になる「黄色ブドウ球菌」に作用し、防臭の効果があります。
「抗菌」の力は製品の表面上のみ働くため、表面の細菌を一定時間増殖させないようにする加工を「抗菌加工」と言います。

一方で「制菌」は、菌の抑制や防止だけでなく、活動を低下させる効果があります。そのため、増殖をさせない抗菌とは違い、菌の数を減らすことができます
また、制菌加工された製品は、黄色ブドウ球菌に加えて肺炎かん菌、緑膿菌、大腸菌、モラクセラ菌などの増殖を抑えられます。

「抗ウイルス」とは、ウイルスを不活性化させ、感染能力を失わせることでウイルスの数を減少させる効果のことです。
「抗ウイルス」はこれまで抗菌加工では効果がなかった、細菌よりはるかに小さいウイルスに対して効果を発揮します。よくある間違いとして、「抗ウイルス」は抗菌効果もあると思われがちですが、細菌とウイルスは増殖方法や対処方法が異なるため、抗ウイルス加工が細菌に効くとは限りません

抗菌だけではなく、制菌・抗ウイルスも求められる理由

「抗菌」だけでなく、「制菌」や「抗ウイルス」も求められる理由は、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに消費者の衛生面に対する安全意識が向上したためです。
特に、「抗ウイルス」は一般の家庭内だけでなく、公園や駅といった不特定多数の人が集まる場所でも求められ、快適で衛生的な環境づくりの重要な要素になってきています。

抗菌・制菌・抗ウイルスの実用例

「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」の効果が認められる製品の定義は以下になります。

<効果が認められる製品の定義>
・抗菌製品:細菌が増えにくい効果が認められたもの
・制菌加工製品:菌の活動を低下する効果が認められたもの
・抗ウイルス製品:ウイルスを減らすと認められたもの

そして、「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」の主な実用例として次のようなものが挙げられます。

<主な実用例>
・マスク
・スポンジ
・おしぼり
・衣類
・タオル
・冷蔵庫
・掃除機
・食器乾燥機

このように日用品や家電製品など幅広いシーンで活用されており、昨今では貼り付けるだけで「抗菌」や「抗ウイルス」の加工ができるシートやスプレーなどもあります。
汗を吸いやすいスポーツウェアやタオル、肌着などは雑菌が繁殖しやすいため、制菌加工素材を使用することで、モラクセラ菌といった特定の菌の増殖を防げます。

また、日常的な使用だけでなく、より清潔性が重要視される医療や介護の現場でも、一般用途とは違う特定用途の制菌加工が使用されます。

ここまで解説した「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」は洋服といった衣類での活用も広がっています。
次章では、アパレル分野での「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」について解説していきます。

アパレルにおける抗菌・制菌・抗ウイルス素材

2種類の抗菌・制菌・抗ウイルス素材

「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」の主な加工方法は、商品や製品そのものに抗菌剤を入れる「練りこみ加工」と、商品の表面上にコーティング加工する「後加工」の2つがあります。アパレルにおいても主にこの2つの加工方法にて「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」機能を備えています。
一方で加工ではなく、繊維自体が持つ天然由来の効果にて、「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」を発揮する素材もあります。

このようにアパレルにおける「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」素材は加工と天然の2種類があり、特に天然素材の活用をしたアパレルブランドが増えてきています

抗菌・制菌・抗ウイルス素材をアパレルに使うメリット

「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」素材をアパレルに使うメリットとして、新型コロナウイルスによって清潔面への安全意識が高まった消費者に対して、安心や安全を訴求できる点があります。

たとえば、衣類は店舗にて不特定多数の消費者が接触するため、感染症対策面の懸念がありましたが、「抗菌」・「制菌」・「抗ウイルス」によってこのような懸念を解消できます。
また、「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」素材は、繊維製品に付着するウイルスの数を減少させ、ウイルスの広がりを弱めることができるため、感染症対策を行いながらおしゃれを楽しむことが可能です。

その他のメリットとして、衣類を衛生的に保ち、においのもととなる菌の増殖を防いでくれる点もあります。夏場で気になる汗のにおいを抑えることができたり、雨で外に洗濯物を干せないときに生乾きのにおいを防ぐことができたりと、じめじめとした気候が続く日本では消費者に求められる場面が多いです。

消費者によっては抗菌材といった化学製品に抵抗を覚える方もいますが、天然由来の素材であれば、そのような消費者にも効果的に訴求ができます。

次章では、実際に天然由来の「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」効果を活用したアパレルブランドの事例をご紹介します。

アパレルブランドから学ぶ!
抗菌作用のある素材の活用例

1:銅の糸を織り込んだ銅繊維を活用

1つ目は銅の機能を活用した事例です。
銅は表面に病原体が付着すると、銅イオンが放出され、イオンが細菌の細胞膜に穴を開けたり、ウイルスの膜および内部のDNAとRNAを破壊したりするため、抗菌作用があります
実際に、この銅の抗菌作用を持つ銅の糸を織り込んだジャケットがイギリスのブランドで販売されています。

2:天然素材「ヘンプ」を活用

ヘンプとは、麻の一種であり、日本でいう大麻のことです。「大麻」と聞くと、マイナスなイメージを持たれることもありますが、産業用に栽培されたヘンプは、人や地球に優しく安全性の高い素材として注目を集めています。

ヘンプによって作られた繊維は抗菌作用だけではなく、吸湿性や速乾性、耐久性も高いとされています。このような特徴から、近年ヘンプ素材を使ったアパレルブランドが多くなりました。

3:和紙本来の性能を活用した和紙100%の素材を活用

アパレル素材として和紙の活用が広がっており、和紙100%の服も登場しています。
和紙は「破けそう」「水に溶けそう」というイメージを持たれることもありますが、実際には調質効果やUVカットに加え、高い吸水性・速乾性・耐久性があり、機能性が高い素材です。

また抗菌効果も高く、マニラ麻を原料とする和紙本来の特性から、10回程度洗うとさらに抗菌作用が増すという魔法のような性質も備えています。

4:植物由来の米のもみ殻を活用

日本の企業が開発した「トリポーラス」という素材も「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」機能がある素材として注目が集まっています。トリポーラスとは本来捨てるはずだった米のもみ殻を原料とした炭素素材のことです。

トリポーラスには、表面上に無数の細孔があり、この細孔が汗臭成分や細菌、ウイルスを素早く吸着・吸収することで、高い抗菌・制菌・抗ウイルス効果を発揮することが可能です

抗菌といった機能素材を知って
服作りに活かそう!

本記事では、「抗菌」、「制菌」、「抗ウイルス」をピックアップしてご紹介してきました。アパレル業界ではこのような機能が備わった素材が多くあり、ニーズが多様化する世の中で需要が高まっています。

以下記事では、抗菌・制菌・抗ウイルス以外の機能素材についてご紹介しています。あわせてぜひご覧ください。


ファッション・アパレル業界で働く方は、顧客のニーズを叶えるためにも機能素材の特徴を知っておくことが重要です。小島衣料では、パターンメイキングやグレーディングを承っており、機能素材を用いた仕様等についてもご相談いただけます。国内大手アパレルメーカーやナショナルブランドなど豊富な実績を誇っていますので、お悩み・お困りのことがある方は一度ご相談ください。

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