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「エシカルファッション」を実現する素材とは?具体的な素材やブランド活用例をご紹介

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エシカルとは、「倫理的な」という意味であり、その観点を考慮して生産された素材や衣服が「エシカル素材・エシカルファッション」と言われています。ここ数十年間、アパレル業界では良い商品を低コストで大量生産して、顧客に手頃な価格で商品を提供する「ファストファッション」が一般的でした。しかし近年、環境・労働問題が取り上げられるようになり、これらに配慮した「エシカルファッション」への取り組みが広がっています。今回は、エシカルの基準やエシカル素材の特徴、活用事例を取り上げながらエシカルファッションについて解説していきます。

エシカルとは?

アパレル業界では、最新の流行を取り入れながら、低価格に抑えた衣料品を短いサイクルで大量生産・販売する「ファストファッション」の業態を取っている企業が多いです。
しかし、昨今ではファストファッションとは違った考え方の「エシカルファッション」が広まりつつあります。
このエシカルファッションで活用されている素材はエシカルな素材と言い、機能素材の1つとして注目を集めています。

以下では、まずエシカルについて解説していきます。

エシカルの意味

エシカルとは、日本語に直訳すると「倫理的な」という意味であり、一般的に「人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動」のことを指します。
エシカルの考え方を踏まえた消費活動のことをエシカル消費と言い、このエシカル消費は「SDGs」において関係が深いです。

SDGsとは、2015年9月に国連で採択された開発目標であり、日本を含めた193カ国に共通した目標です。SDGsでは、主に17個の目標が設けられており、その中の12個目の目標である「つくる責任、つかう責任」に関連する取り組みとしてエシカル消費も該当します。

アパレル・ファッションにおけるエシカルとは?

アパレル・ファッション業界においてもエシカルが注目されています。
ファッション業界におけるエシカルとは、素材の選定、生産工業での労働環境、流通、販売、リサイクルに至るまで、倫理的な基準のもとに活動を行うことを指します。
基準としては、「労働者の人権を守る」、「環境の持続可能性を支援している」、「リサイクルといったごみ問題に取り組んでいる」、「有毒農薬や化学薬品の使用問題に取り組んでいる」などがあります。

アパレルにおいてエシカル消費が注目される背景

アパレル業界でエシカル消費の注目が集まる背景として、ファッション業界の主な業態であるファストファッションが問題視されていることがあります。

ファストファッションとは最新のトレンドを短いサイクルで展開し、大量生産かつ低コストで商品を流通させるモデルです。
ファストファッションは手頃な価格でファッションが楽しめるという点から世界中に広まりましたが、その裏側には、中国やベトナム、バングラディシュなどの発展途上国に置かれた生産工場で労働者が低賃金かつ過酷な労働のうえで成り立っているという不均衡が存在していました。このような状況が、昨今メディアに取り上げられ、世間では問題視されています。

この問題の解決策としてアパレルにおけるエシカル消費の取り組みが求められています。
また、エシカル消費は昨今関心が高まっているサスティナブル(持続可能な)社会の実現の鍵ともされており、深い関係性があります。

「サスティナブルファッション」については以下記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

エシカルなアパレル素材

エシカル消費の1つとして、エシカルな素材による服の製造があり、具体的な素材としては、「植物系自然素材」や「リサイクル繊維」などがあります。

植物系自然素材は、「オーガニックコットン」、「麻」、「靭皮素材」、「テンセル」の4つがあります。

オーガニックコットン:原材料は薬や化学肥料を3年以上使っていない土地で栽培された綿花。
:環境負荷が少ない天然繊維。化学肥料や農薬が不要。成長時に雑草を排除するため、土壌を改善できる。
靭皮素材:植物の内部にある繊維状物質のこと。ジュート、バナナ、ラミーなどがある。
テンセル:持続可能な方法で調達した木材を原材料としている。製造過程での環境負荷が少なく、繊維製品は土壌で分解される。

リサイクル繊維は主に「ポリエステル繊維」と「アップサイクル素材」があり、次のような特徴があります。

ポリエステル繊維:再度糸にできる再生コットンやペットボトルを再利用している。
アップサイクル素材:製造で出る残余素材や廃棄物を活用している。

アパレルブランドが行っている
エシカル素材の活用例

前章でご紹介したような、エシカルな素材を取り入れたアパレルブランドが近年増えてきています。
以下では、サスティナブルにこだわった日本ブランドが出しているエシカル素材の活用例について、いくつかご紹介していきます。

1:廃棄リンゴを活用したトートバック

世界中の植物レザー(ヴィーガンレザー)を使用した素材を扱っているヴィーガンファッションブランドでは、廃棄される有機リンゴを活用したアップルレザーによる製品を展開しています。
素材自体は本物のレザーのような質感であり、軽量や耐水性に優れているため、トートバックとして販売されています。

2:世界初の植物由来素材「PlaX」を使ったルームウェア

「PlaX」とは、サトウキビを主原料としてポリ乳酸繊維でできた新素材のことです。
植物由来で生分解性があり、カーボンニュートラルを実現できるため環境負荷が低いことが特徴です。抗菌性・消臭性・速乾性・弱酸性といった、肌にやさしい機能性を兼ね備えているため主にルームウェアやパジャマとして使われています。

3:和紙糸で作られた肌着

肌着やルームウェアを企画・製造するブランドでは、肌に触れる部分のおよそ99.9%が和紙でできている肌着を制作しています。
日本伝統素材の和紙には「軽くて丈夫、調湿機能が優れており、生分解性がある」という特徴があり、衣服にすると着心地が良く、自然とリラックスができる効果があります。
また、合成化学染料やシリコンなどの添加物が入っていないため、環境にも肌にも良い素材です。

4:生活排水やCO2削減に寄与するレディース服

あるブランドでは、高い通気性と撥水性によって、汗の臭いが付きにくい新技術を活用した「プレミアムコットン」によるレディース服を展開しています。
プレミアムコットンの特徴により、洗濯回数を減らせるため、生活排水やCO2の削減が期待でき、環境に配慮したライフスタイルを可能にします。
また、この素材は環境に良いだけでなく、汗の臭いが気になる女性の悩みも同時に解消することができます。

エシカルといった機能素材を知って
服作りに活かそう!

本記事では、エシカル消費に関する素材についてピックアップしてご紹介してきましたが、このような機能素材はさまざまなものがあり、ニーズが多様化する世の中では需要が拡大しています。

今回ご紹介したエシカル以外の機能素材についても以下記事で解説しているので、ぜひご覧下さい。




昨今では、アパレルに対しても機能性や社会問題への取り組みを求める顧客が増えているため、より顧客のニーズをかなえるには、衣類の機能素材の特徴を知っていることが必要不可欠です。

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