冬場の煩わしい静電気。静電気発生を防止する機能素材「制電素材」をご紹介!
私たちの私生活でふとした時に発生する静電気ですが、静電気を防止する素材として注目を集めているのが「制電素材」です。
本記事では、制電素材の種類や特徴を踏まえ、実際にどのような服に使用されているのかについて解説していきます。
目次
制電素材とは?その仕組み
服を着ていると静電気によって埃がついたり、衣服がまとわりついたりして痛みが伴うことがあります。このような静電気が帯びることを「帯電」と呼び、帯電を防ぐ素材のことを「制電素材」といいます。
以降では、そもそも「静電気」とは何かについて、帯電を防止する制電素材の仕組みを踏まえてご紹介します。
以降では、そもそも「静電気」とは何かについて、帯電を防止する制電素材の仕組みを踏まえてご紹介します。
静電気はなぜ冬場に発生しやすい?
あらゆるものは「プラス」と「マイナス」の電気を持っており、摩擦・衝突が起こるとプラスとマイナスの電気のバランスが崩れ、どちらかに偏って帯電します。その状態で他の物体に触れることにより、自分に無い電気(プラスかマイナス)を引き寄せて静電気が発生します。
静電気は一般的に空気中の水分によって放出されますが、冬場は乾燥していることで放電が進まずに帯電してしまいます。そのため、水分を多く含む天然繊維の場合、静電気が起きにくくなります。
静電気は一般的に空気中の水分によって放出されますが、冬場は乾燥していることで放電が進まずに帯電してしまいます。そのため、水分を多く含む天然繊維の場合、静電気が起きにくくなります。
制電素材の仕組み
制電素材とは帯電を防ぐと先述しましたが、静電気自体が発生しないわけではありません。多くの制電素材は電気の通りを良くすることで、一定以上の静電気を溜め込まない仕組みになっています。
これにより、電気を溜め込むことで起こる放電を防ぐことが最大の目的です。
次章では、静電気を防ぐ制電素材がなぜ重要視されているのかについてご紹介します。
これにより、電気を溜め込むことで起こる放電を防ぐことが最大の目的です。
次章では、静電気を防ぐ制電素材がなぜ重要視されているのかについてご紹介します。
制電素材が重要視される理由
静電気は誰もが経験したことがある「バチッ」という痛みが生じますが、他にも以下2点の悪影響があることから制電素材の重要性が増しています。
静電気の滞留は身体に悪影響を与える
1つ目は、帯電が身体に悪影響を与える点です。
身体に静電気が溜まっている状態は血流が悪くなるとされており、肩こりや冷え性、腰痛、ストレスを溜めやすくなるなどの悪影響を与えてしまいます。
その他にも埃やダニ、空気中の花粉やウイルスを引き寄せることによるアレルギー反応や血糖値の上昇が起こる可能性があります。
身体に静電気が溜まっている状態は血流が悪くなるとされており、肩こりや冷え性、腰痛、ストレスを溜めやすくなるなどの悪影響を与えてしまいます。
その他にも埃やダニ、空気中の花粉やウイルスを引き寄せることによるアレルギー反応や血糖値の上昇が起こる可能性があります。
工場といった現場では事故や不具合の原因になる
石油化学工場では静電気によって火災が起こったり、医薬品工業や精密電子工業では、放電や衣服に付着した埃が原因で不具合が発生し、工場の生産に影響を及ぼしたりする可能性があります。
そのため制電素材は、製造業などの現場作業着として非常に重要な機能を果たしています。
そのため制電素材は、製造業などの現場作業着として非常に重要な機能を果たしています。
制電素材の種類
制電素材には以下4つの種類があります。以降ではそれぞれの特徴をご紹介します。
帯電しにくい素材
1つ目は、帯電しにくい素材です。
主な帯電しにくい素材として「絹」「綿」「アセテート」「麻」などが挙げられます。ほかにもマイナスに帯電しやすい素材とプラスに帯電しやすい素材に分かれており、マイナス素材同士とプラス素材同士で衣服を生産することで、帯電防止が可能です。
具体的なものとして以下が挙げられます。
■プラスに帯電しやすい素材:毛皮や人毛、ナイロン、ウール、レーヨンなど
■マイナスに帯電しやすい素材:塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、アクリル、ポリエステルなど
主な帯電しにくい素材として「絹」「綿」「アセテート」「麻」などが挙げられます。ほかにもマイナスに帯電しやすい素材とプラスに帯電しやすい素材に分かれており、マイナス素材同士とプラス素材同士で衣服を生産することで、帯電防止が可能です。
具体的なものとして以下が挙げられます。
■プラスに帯電しやすい素材:毛皮や人毛、ナイロン、ウール、レーヨンなど
■マイナスに帯電しやすい素材:塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、アクリル、ポリエステルなど
帯電機能のある繊維を用いた素材
2つ目は、帯電を防止する繊維である親水性のポリマーを用いた素材です。
例えば、「ポリエステル」「ナイロン」「アクリル」などの疎水性合成繊維の内部には、親水性のポリマーを練り込んでおり、この親水性ポリマーは空気中の水分を吸収して電気を拡散させる性能を持ち合わせています。この素材を用いることで、電気の発生を防ぐことが可能です。
一方、デメリットは外気の湿度によって静電効果が左右されてしまうことが挙げられます。
例えば、「ポリエステル」「ナイロン」「アクリル」などの疎水性合成繊維の内部には、親水性のポリマーを練り込んでおり、この親水性ポリマーは空気中の水分を吸収して電気を拡散させる性能を持ち合わせています。この素材を用いることで、電気の発生を防ぐことが可能です。
一方、デメリットは外気の湿度によって静電効果が左右されてしまうことが挙げられます。
帯電防止加工を施した素材
3つ目は、帯電防止剤を繊維の上から表面加工したものです。
主に帯電防止剤(界面活性剤などの親水化薬剤)を混ぜることで、静電気を抑制します。親水化薬剤は、空気中の水分を吸着して電気を通しやすくし、生地の摩擦を減らすことができるため、静電気発生の抑制に繋がります。
一方で、表面加工のため制電効果は永久的ではなく、静電気防止スプレーなどで再加工する必要があります。
主に帯電防止剤(界面活性剤などの親水化薬剤)を混ぜることで、静電気を抑制します。親水化薬剤は、空気中の水分を吸着して電気を通しやすくし、生地の摩擦を減らすことができるため、静電気発生の抑制に繋がります。
一方で、表面加工のため制電効果は永久的ではなく、静電気防止スプレーなどで再加工する必要があります。
導電性繊維を用いた素材
4つ目は、繊維に導電性繊維を練りこむことで帯電を防止する方法です。
導電性繊維とは、化学繊維などに帯電しにくい性質を持たせた繊維のことであり、導電性繊維を通じて電子が移動し、衣服の表面から空中へわずかな放電が起こることで電荷※1の消滅が可能になります。
※1電荷:粒子や物体など帯電したものが持っている電気の量
主な例としては、導電性が高くなる金属繊維やカーボンブラック、導電性セラミックなどを混ぜ込んだ繊維です。これらの素材は、効果も半永久的に持続し、外気の湿度に依存しないというメリットがあります。中でも金属繊維は保湿機能もあり、冬場でもメリットが多い素材といえます。
冬場に適している保温機能のある素材については、以下記事をご覧ください。
上記のように、さまざまな種類がある制電素材ですが、次章では実際にどのような服に活用されているのかをご紹介します。
導電性繊維とは、化学繊維などに帯電しにくい性質を持たせた繊維のことであり、導電性繊維を通じて電子が移動し、衣服の表面から空中へわずかな放電が起こることで電荷※1の消滅が可能になります。
※1電荷:粒子や物体など帯電したものが持っている電気の量
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制電素材を利用した服の具体例
制電素材には上記で紹介した特徴がある他、着心地の良さも兼ね備えています。そのため、インナーやスーツの裏地、コートや寝装具に加え、現場作業着など幅広く活用されています。
注意点としては、プラスに帯電しやすい素材とマイナスに帯電しやすい素材があるため、異素材を組み合わせて衣服を生産する際は、組合せを考慮する必要があります。
注意点としては、プラスに帯電しやすい素材とマイナスに帯電しやすい素材があるため、異素材を組み合わせて衣服を生産する際は、組合せを考慮する必要があります。
機能素材を知って服作りに活かそう!
本記事では、冬場における静電気を抑える「制電素材」について、種類や特徴を踏まえ、実際の使用例についてご紹介しました。
消費者のニーズが多様化する昨今では、これまでに重視されてきたデザイン性だけでなく、制電素材のような機能素材が求められています。
以下記事では、制電素材以外の注目機能素材をまとめてご紹介しています。顧客ニーズに対応するためにもアパレル業界の方はぜひご覧ください。
小島衣料では、洋服のパターンメイキングやグレーディングの依頼を受け付けており、服の種類やサイズに問わず幅広く対応可能です。また、国内大手のアパレルメーカーやナショナルブランドなどの豊富なパターンメイキングやグレーディングの実績があります。
小島衣料が提供するサービスの料金表は以下のリンクでダウンロードできます。
ご興味のある方はぜひ一度ご覧ください。
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