どこからがパクリ?ファッションのデザインにおける注意点

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近年、インターネットの普及・発展に伴い、デザインのパクリ問題が表面化することが多くなりました。特に、ファッション業界には流行やトレンドが存在し、真似しやすい・されやすい環境であるため、より一層注意が必要です。本記事では、ファッションのデザインにおける注意点などをご紹介します。

なぜファッション業界の「パクリ問題」はよく起こる?

他人のアイデアや表現を盗み取る「パクリ問題」がファッション業界では多く発生しています。以下でその原因について解説します。

「流行」「トレンド」によりデザインやアイテムの模倣に対して比較的寛容

ファッション業界では常に「流行」や「トレンド」があり、この「流行」や「トレンド」を模倣したデザインやアイテムが作られることを繰り返して進化してきました。ファッションは模倣されることで広まり、流行やトレンドを生み出すので、ほかの業界と比べ模倣されることに対して寛容です。

だからこそ似ているデザインやアイテムが多く出回り、時には「パクリ」と問題になる作品が現れる可能性が高いといえます。

インターネットやSNSの普及・発展

インターネットやSNSの普及は、パクリ問題がよく起こる原因の1つです。
現在はインターネットやSNSで最新のデザインに関する情報がリアルタイムかつ簡単に入手できます。よって他人のデザインやアイテムを利用することが容易になっています。

また、オリジナルの作者がパクられている(かもしれない)ことに早急に気づき、インターネットやSNSで発信するため、パクリ問題が表面化しやすい状況であるといえます。

最近のデザイン「パクリ」疑惑事例

ここで、最新の「パクリ」疑惑の事例をご紹介します。

女性向け下着・靴下・ルームウェアを販売するメーカーは2021年10月、公式HPで同社商品に関する謝罪と販売中止を発表しました。
きっかけはSNSにて、とあるデザイナーから「メーカーが販売している商品に使われているイラストと、私が描いたイラストが酷似している」というメッセージが送られたことです。このメッセージがきっかけとなり、インターネット上に比較画像などが拡散され、大きな問題となりました
さらに、この疑惑を発端にメーカーの過去の商品にもパクリ疑惑が生じ、パクリを常習的に行っていたのではないかと指摘されています。

デザインのパクリとは違う?
インスパイア、オマージュとは

デザインが似ているからといって、すべてが「パクリ」と称されるわけではありません。パクリと似て非なる言葉として、インスパイアやオマージュがあります。

インスパイアとは、尊敬する作品に影響を受けて同じテーマの作品を作ることです。ファッションにおいては既存のデザインに対して別の要素を加えたり、融合したりすることで新たな作品を生み出すことを指します。

オマージュとは「尊敬」という意味のフランス語「hommage」から来ている言葉であり、他社の過去作品への敬意を込めた表現を含めて作品を作成することです。

インスパイア・オマージュにはオリジナルに対する尊敬や賞賛の念が込められています。一方でパクリは「盗む」という意味があり、オリジナルのデザインを流用したり自分の創作物だと偽ったりすることを指します。

実際にどこからがデザインやアイテムのパクリ?
法律での線引きは

では、どの程度まで似ていたらパクリだと判断されるのでしょうか。ここでは法律の観点から説明します。

デザイナーが知っておくべき「意匠法」と「不正競争防止法」の違い

パクリの線引きについて理解するためには、ファッションのデザイン保護に関係する法律である意匠法と不正取引防止法の違いを知る必要があります。

意匠法はデザインを保護する法律です。デザインを創作した場合、特許庁に意匠登録することでそのデザインの意匠権を取得できます。意匠権があれば、他人にデザインを模倣されたときにその行為を止め、賠償請求ができます。

しかし、意匠登録には費用と時間がかかるため、流行の変動が激しいファッション業界には向いていません。そこで、よくファッション業界で活用されるのが不正競争防止法の形態模倣規制です。

不正競争防止法の形態模倣規制は、ほかの商品の形態を模倣した商品を譲渡したり、貸し渡したりすることを禁止する法律です。出願や登録をしなくても模倣品の販売行為を止めたり、すでに販売した分について損害賠償を請求したりできます。

パクリの定義は「実質的に同一であること」

不正競争防止法上では、模倣(パクリ)は「実質的に同一であること」と定められています。しかし法律上では具体的な線引きの基準は示されておらず、最終的には個別の判断になることが多いです。
そのため、デザインがパクリであるかは過去のファッションのデザインに関する裁判例を参考にするとよいでしょう。

パクリという形で侵害してしまわないために、デザイン時に気を付けるべきポイント

ファッションのデザインにおいては明確なパクリの定義がなく、パクリかどうかを判断するのは難しいです。自分はパクるつもりがなくても、他人からパクリだと判断されれば裁判沙汰になるかもしれません。

ここからは、パクリという形で侵害してしまわないために、デザイナーが注意すべきポイントを3つご紹介します。

ポイント①:デザインやアイテムの「模様」「形状」「色彩」

不正競争防止法2条4項には「消費者が通常の用法に従った使用に際して認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様、色彩、光沢及び質感」との規定があり、過去の事例では商品の模様・形状・色彩が多く問題にされています。

実際には模様・形状・色彩は意匠権のみに保護される項目です。しかし過去には商品の特徴的な模様・形状・色彩が共通しているものについて、不正競争防止法で実質的に同一であると判断された例が多くあります。なお、機能を確保するうえで不可欠な形状については保護されません。

ポイント②:消費者に与える印象

色や柄が異なっていても、消費者の目を引く特徴的な部分(商品選択の動機)が共通しており消費者に与える印象が酷似している場合、実質的に同一であると判断されやすいです。
デザインする際は、デザイン・アイテムが消費者に与える印象を考え、共通した商品があるのか注意する必要があります。

ポイント③:流行・トレンドとの区別

流行およびトレンドは消費者に与える印象の1つであり、消費者が商品選択するうえで重要な動機です。流行・トレンドを参考にしてデザインを決める際は、トレースや独自要素のない模倣をしてはいけません。
流行・トレンドについて理解を深め、自分の作品と区別できる要素を加えましょう。

デザインがパクリだと思われないために

業界の特徴として、ファッション業界は模倣に対して比較的寛容です。しかしインターネットやSNSが発達した現代は、パクリ問題が表面化しやすく、デザインを発表する際似たようなものがないか精査すべきです。

法律上ではパクリに関する具体的な線引きはないものの、商品の特徴的な「模様」「形状」「色彩」およびそれらが消費者に与える印象は多く問題になっています。デザインを考える際は十分注意しましょう。

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