【2023年版】アパレル業界を生き抜くために求められる経営戦略とは
~世界的物価の上昇・円安進行による業界動向から解説~
昨今の物価上昇によってさまざまな業種・業界が影響を受けています。特にアパレル業界では、消費者の節約志向や原料の高騰などの影響を受けており、生き残りが困難な状況と言えます。そこで本記事では、現在アパレル業界が物価上昇によってどのような影響を受けているのかを踏まえ、今後求められる経営戦略について解説します。
目次
世界的物価上昇と、止まらない円安
現在、世界各地で物価上昇が続いていることで記録的なインフレが起こっています。主な原因は新型コロナウイルスの感染拡大とされています。また、サービスの消費からモノの消費へのシフトや労働者の仕事離れによる人材不足、ウクライナでの戦争による燃料の不足と高騰なども大きな要因です。
物価上昇は、人々の生活を厳しくするため、世界各地の労働者は働いている企業に賃金を上げるように要求し、企業は上げた分の賃金に合わせて商品の価格を上げるという悪循環が起きています。
欧米各国の中央銀行は、このインフレに対する対応として、急ピッチで利上げに奔走しており、景気への悪影響を覚悟で抑え込もうとしています。このような急速な利上げを欧米が進める一方で、日本だけが超低金利の金融緩和を維持しています。
それにより、日本では円安が止まらない状態が続き、2022年(令和4年)10月には、為替相場が\150/$台に突入するという、数十年ぶりの水準を記録しています。
次章では、このようなインフレと円安によってアパレル業界が受けている影響についてご紹介します。
物価上昇は、人々の生活を厳しくするため、世界各地の労働者は働いている企業に賃金を上げるように要求し、企業は上げた分の賃金に合わせて商品の価格を上げるという悪循環が起きています。
欧米各国の中央銀行は、このインフレに対する対応として、急ピッチで利上げに奔走しており、景気への悪影響を覚悟で抑え込もうとしています。このような急速な利上げを欧米が進める一方で、日本だけが超低金利の金融緩和を維持しています。
それにより、日本では円安が止まらない状態が続き、2022年(令和4年)10月には、為替相場が\150/$台に突入するという、数十年ぶりの水準を記録しています。
次章では、このようなインフレと円安によってアパレル業界が受けている影響についてご紹介します。
アパレル業界が受けている影響とは
日本国内で販売される衣類の多くは、海外の工場で製造し、輸入でまかなっています。そのため、物価上昇による外国人労働者の人件費増加や円安による輸入品の価格高騰など、アパレル業界は、大きな打撃を受けています。
以下では、具体的に受けている影響を3つご紹介します。
以下では、具体的に受けている影響を3つご紹介します。
消費者の節約志向による売上減少
1つ目は、節約志向による売上減少です。
物価の上昇や円安によって消費者の家計が圧迫されており、節約志向が高まっています。そのため、消費者が衣類にかける費用が減り、アパレル業界の売上も減少しています。
また、昨今では新型コロナウイルスの影響で消費者ニーズが高級志向と低価格志向で二極化しており、安価でカジュアルな衣料品を選択する消費者も多くなっています。そのため、服一着あたりの平均購入単価も低下しており、売上に大きな影響を与えています。
新型コロナウイルスによって変化した「消費者ニーズ」については、以下記事でご紹介しています。
物価の上昇や円安によって消費者の家計が圧迫されており、節約志向が高まっています。そのため、消費者が衣類にかける費用が減り、アパレル業界の売上も減少しています。
また、昨今では新型コロナウイルスの影響で消費者ニーズが高級志向と低価格志向で二極化しており、安価でカジュアルな衣料品を選択する消費者も多くなっています。そのため、服一着あたりの平均購入単価も低下しており、売上に大きな影響を与えています。
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価格維持の難化
2つ目は、価格維持の難化です。
ファストファッションの形態が根付いてきたアパレル業界では、低価格化が浸透しています。
従来では原料の高騰があっても、製造工程でのコスト削減により、価格の据え置き対応を行っていました。しかし、昨今の物価上昇、円安進行による影響は大きく、価格維持が難しくなってきています。
実際に2022年の秋冬物においては、日本の多くの大手アパレル企業が値上げを行いました。
ファストファッションの形態が根付いてきたアパレル業界では、低価格化が浸透しています。
従来では原料の高騰があっても、製造工程でのコスト削減により、価格の据え置き対応を行っていました。しかし、昨今の物価上昇、円安進行による影響は大きく、価格維持が難しくなってきています。
実際に2022年の秋冬物においては、日本の多くの大手アパレル企業が値上げを行いました。
原料(綿花・原油)の高騰
3つ目は、繊維の原料である綿花や原油の高騰です。
日本では作られる綿などの天然繊維の原料である綿花や麻、ウール、化学繊維の原料である石油はほとんどが輸入品です。そのため、原材料を仕入れて国内で生産している繊維産業では、洋服の素材である生地の値上げを行っており、アパレル業界に大きな影響を与えています。
このように、物価上昇や円安進行によって大きな影響を受けているアパレル業界ですが、次章では、今後のアパレル業界に求められる経営戦略についてご紹介します。
日本では作られる綿などの天然繊維の原料である綿花や麻、ウール、化学繊維の原料である石油はほとんどが輸入品です。そのため、原材料を仕入れて国内で生産している繊維産業では、洋服の素材である生地の値上げを行っており、アパレル業界に大きな影響を与えています。
このように、物価上昇や円安進行によって大きな影響を受けているアパレル業界ですが、次章では、今後のアパレル業界に求められる経営戦略についてご紹介します。
アパレル企業の経営戦略で今後必要な対応とは
アパレル企業・ブランドが生き残っていくための経営戦略として以下のような対応が求められます。
購入機会の提供・機会ロスの低減
1つ目は、顧客に対する新たな購入機会の提供や機会ロスの低減です。
消費者の節約志向が高まっている昨今では、消費者に買いたいと思わせるための機会を増やすことが重要です。例えば、店頭販売のみならず、ECといったオンラインでの購買ができる新規チャネルの構築やオンラインとオフラインを統合したOMOマーケティングの実施などがあります。
また、顧客が買いたいと思った時に欠品や不足が起こってしまっては意味がありません。販売機会を失う事態を未然に防ぐために、消費者ニーズの把握や在庫管理が重要です。
以下記事では、アパレル業界のEC施策と実際に増収増益したアパレル企業のニュースについてご紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
消費者の節約志向が高まっている昨今では、消費者に買いたいと思わせるための機会を増やすことが重要です。例えば、店頭販売のみならず、ECといったオンラインでの購買ができる新規チャネルの構築やオンラインとオフラインを統合したOMOマーケティングの実施などがあります。
また、顧客が買いたいと思った時に欠品や不足が起こってしまっては意味がありません。販売機会を失う事態を未然に防ぐために、消費者ニーズの把握や在庫管理が重要です。
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商品の付加価値提供
2つ目は、商品の付加価値提供です。
先述したように、現在アパレル業界では価格維持が困難となっており、多くの企業が値上げをせざるを得ない状況です。そのため、今後はただ値上げをするだけではなく、値上げに対して顧客の理解を得られるような付加価値を提供する必要があります。
先述したように、現在アパレル業界では価格維持が困難となっており、多くの企業が値上げをせざるを得ない状況です。そのため、今後はただ値上げをするだけではなく、値上げに対して顧客の理解を得られるような付加価値を提供する必要があります。
業務効率化によるコスト削減
3つ目は、業務効率化によるコスト削減です。
主な方法としては、製造工程のデジタル化やITツールの導入が挙げられます。業務の自動化や効率化を行うことで、人件費をはじめとしたコストを大きく削減できます。
一方で、縫製においてのデジタル化には大掛かりなシステムの導入が必要です。導入までのコストや期間も大きなネックであり、取り組めていない企業も少なくありません。
そこで次章では、コスト削減のための業務効率化が容易にできる方法をご紹介します。
主な方法としては、製造工程のデジタル化やITツールの導入が挙げられます。業務の自動化や効率化を行うことで、人件費をはじめとしたコストを大きく削減できます。
一方で、縫製においてのデジタル化には大掛かりなシステムの導入が必要です。導入までのコストや期間も大きなネックであり、取り組めていない企業も少なくありません。
そこで次章では、コスト削減のための業務効率化が容易にできる方法をご紹介します。
物価上昇・円安対応に向けた経営戦略として、
外注の検討を!
コスト削減に向けたデジタル化を推進しようとしても、ソリューションの選定や予算確保、今までの工程の見直しが必要になるため、導入をなかなか進められないといったケースは少なくありません。そのため、自社で導入を行わずに、すでにデジタル化が進んでいる外部委託先に外注した方がコストや手間を抑えことが可能です。
以下の記事でパターン作成・グレーディングの外注先の選び方をご紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
小島衣料では、アパレル製品製造のさまざまな工程の外注に対応しており、手間をかけず簡単にコスト削減が実現できます。複雑なシルエットにも対応したパタ-ンメイキングやさまざまなサイズに対応できるグレ-ディング、マーキング・縫製仕様書作成、サンプル作成など柔軟な対応も可能です。また、小ロットのご依頼も受け付けておりますので、顧客それぞれのニーズに応じた多品種少量生産もできます。
昨今の情勢への対応として、業務効率化によるコスト削減を行いたいとお考えの方は、ぜひ小島衣料までご相談ください。
以下では、小島衣料が提供するサービスの料金表は以下のリンクでダウンロードできます。
ご興味のある方はぜひ一度ご覧ください。
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