激変するアパレル業界で成功するための
秘訣とは？｜気になるニュースをご紹介

2022年12月14日

インターネットの普及や新型コロナウイルス感染拡大の影響で、市場の変化が大きくなっているアパレル業界。そんなアパレル業界で成功するためには、どのようなアプローチが必要なのでしょうか？本記事では、アパレル業界の成功の秘訣を気になるニュースとともにご紹介します。

●激変するアパレル業界
●アパレル業界での成功の秘訣
- ・CX（顧客体験）の向上
- ・販売チャネルの拡大
- ・別業界への事業拡大
- ・海外進出
●アパレル業界成功の秘訣を実践するアパレル企業をニュースでご紹介
●常に変化する顧客のニーズに応えた生産が必要

激変するアパレル業界

もともと、アパレル業界はトレンドの移り変わりが早いとされる業界ですが、インターネットの普及や新型コロナウイルスの感染拡大により、市場の変化が大きくなっています。

特に顕著なのがアパレルEC市場の成長です。2022年8月に経済産業省が発表したアパレルEC市場の売上規模によると、2019年では１兆9,100億円だった売上が、2021年では、2兆4,279億円と3年間で約500億円拡大しています。また、消費者の購買のうちECを利用したEC化率は、2021年では21.15%となり、全産業のEC化率の平均の8.78％を大幅に上回っています。

※出典：「令和3年度デジタル取引環境整備事業（電子商取引に関する市場調査）」
（経済産業省）をもとに記載

アパレルECにおける売上、利益の変遷については以下記事でも詳しくご説明しているので、合わせてご覧ください。

アパレル業界での成功の秘訣

CX（顧客体験）の向上

CX（顧客体験）とは、顧客が商品やサービスを体験して、価値を評価することを意味します。この「価値」とは、商品を購入する前の対応から購入後のサポートまで、顧客のすべての体験を意味します。

アパレル業界に限らず、顧客満足度を向上させて売上を上げる取り組みは、従来から行われていました。しかし、商品の飽和・消費行動の多様化などにより他社よりも顧客の関心を集め、満足度を高める必要があり、一歩進んだ施策としてCXの向上が重要視されています。

CX向上に関しては、以下記事で具体的にご紹介しています。合わせてご覧ください。

販売チャネルの拡大

チャネルとは、流通経路のことを指し、販売チャネルは顧客に商品やサービスを販売する場所のことを指します。近年では、価値を提供する手段の多様化・高度化に伴って、販売チャネルの拡大が重要視されています。一つのチャネルに絞ったり、複数のチャネルで個々に販売したりする方法では顧客のニーズを満たせなくなってきているため、あらゆるチャネルを統合して顧客にアプローチするオムニチャネルを実践する企業が増えています。

また、アパレル業界で、近年活用されている販売チャネルがECサイトです。上述したようにアパレルEC市場はIT技術の発展や新型コロナウイルスの影響で拡大しており、外出の必要がなく設備投資や人件費が抑えられるといったメリットから多くのアパレル企業がEC市場に参入しています。

最近話題となっている販売チャネルが「コンビニエンスストア」です。コンビニエンスストアは全国に約5万6千の店舗があり、全国展開しているものや、地域密着型のものなど、日本全国どこに足を運んでも見かけます。日常生活に溶け込んでいるコンビニエンスストアであれば、アパレル店舗やECサイトに出向かない人へもアプローチが可能です。
注意点として、販売品はなるべく肌着や靴下といった日用品に近いものを選ぶ必要があります。

以上のように販売チャネルを増やすことで、売上の拡大やブランドの認知度向上に繋げることが可能です。

別業界への事業拡大

別業界へ事業を拡大することで、売上や認知度の向上、リスクの分散など様々なメリットを享受できます。また、新しい人材を確保するきっかけにもなり、自社のみの考え方に捉われないアイデアが生まれる可能性も大きくなります。
一方で、コストや運営、管理の負担がかかるといったデメリットもあり、失敗時には現在利益が出ている事業を圧迫するリスクがあります。

別業界へ参入する際に重要となるのが、「コンセプトの一貫性」です。上述したメリットを享受することが先行してしまいがちですが、今まで築いてきた既存顧客との関係性を保つためにも、企業理念に即した事業展開を行うことが必要です。例えば、「ナチュラルな暮らし」をコンセプトにしているアパレル企業であれば、健康に配慮したオーガニックコスメを展開したり、健康に配慮したフード事業を展開したり、はたまた暮らしを支える住宅事業を展開したりと、企業理念からぶれずに別業界へ事業を拡大することが可能です。

別業界への事業拡大の際にコンセプトの一貫性が難しいと判断した場合は、異業種間のコラボを行うことで既存顧客の離脱といったリスクを軽減しながら、売上や認知度の向上を行うことが可能です。

アパレル業界のコラボについては以下記事にてご紹介しています。ぜひご覧ください。

海外進出

4つ目のアパレル業界成功の秘訣は、「海外進出」です。
市場が全く異なり、顧客のニーズを掴むのが困難ですが、日本国内よりもトレンドや技術が発展していることが多く、今後のアパレル企業に必要なものを察知したり、ビジネスの在り方を考え直したりするきっかけになります。

例えば、韓国ではEC市場が発達しており、楽天やYahoo!ショッピングといった大規模なマーケットが日本の2倍、自社ECサイトをオープンする女性アパレルECサイトは4万件以上存在します。実際に、自社ECサイトを導入する企業は10年ほど前から増えており、日本の数年先を進んでいると言えます。このように、世界の市場を知り、対等に戦うことで、日本国内で展開するだけでは気づけない視点を取り入れることが可能です。

以下の記事でファッション業界における国際的な動向をご紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。

アパレル業界成功の秘訣を実践する
アパレル企業をニュースでご紹介

以下では、前章でご紹介したアパレル業界成功の秘訣を実践するアパレル企業をニュースからご紹介します。

・三井物産ケミカルが化粧品に参入
ODM大手のアンズコーポレーションの海外進出などを後押し

・マッシュHDが住宅事業に参入　
三井不動産レジデンシャルの賃貸マンションの内外装をデザイン

・「アーバン・ファミマ!!」が店内を披露　
日常と非日常を融合した初めてのコンビニ業態

・「無印良品」がローソン都内3店舗で6月17日から500品目を販売

・「ジーユー」が韓国の全3店を今夏で閉店　「ユニクロ」は今後も出店継続

・Zホールディングス　ヤマトと仮想モール出店者向けEC物流支援開始、
通販サイト構築サービスやEC購入商品の店頭引き渡し機能も実施へ

常に変化する顧客のニーズに応えた生産が必要

今回ご紹介したように、インターネットの普及や新型コロナウイルスの感染拡大によって人々の生活スタイルやニーズが常に変化する社会の中では、変わっていく顧客のニーズを掴み、応えることが重要です。

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